2024年東海リーグにて5連覇を達成し、全日本大学選手権でもベスト4の好成績を残した女子ラクロス部。その主将として、学生日本一を目指して練習に励む
総合政策学部 総合政策学科 4年
辻 和佳奈さん(2025年4月取材)
「学生日本一を目指したい」と、熱い思いを持ってラクロス部に入部した辻さん。中高生時代に陸上部で鍛えたスピードとスタミナを武器に、現在は主将として部を束ねながら、日々練習に打ち込んでいます。
今回は辻さんに、南山大学女子ラクロス部「LAS CHICAS」での活動や目標とする「学生日本一」に懸ける思いについて伺いました。

―まずは、ラクロスを始めた理由を教えてください。
もともと中高生の頃に陸上をやっていて、高校3年生の時には全国大会に出場した経験から、大学でも日本一を目指したいと考えていました。南山大学に入学することが決まり、「南山にも日本一を目指せる環境がある」ことを知って、ラクロス部に興味を持ったのがきっかけです。ラクロスはほとんどの人が大学から始めるためスタートラインが同じであることや、過去には日本代表になった先輩もいると聞いて、初心者から4年間でそこまで目指せるということに魅力を感じました。部活見学に行った際、学年関係なく先輩方の仲が良く、元気で明るい雰囲気だったことにも惹かれました。

▲高校3年生の時に出場したインターハイ(100mハードル)
―陸上という個人種目からチーム競技に変わって、戸惑いなどはありませんでしたか?
正直、ありました。陸上部では「どれだけ自分に厳しくできるか」が大切で、常にハードな練習を自分に課していました。ラクロス部に入部して「学生日本一」という高い目標を掲げていることもあり、自分だけでなくチームメイトにも同じように求めてしまって…。周りとの熱量にギャップを感じて、悩んだりもしました。ただ、チームの同期と話をする中で、「今までの自分の経験と、みんながやってきたことは違う」と気が付くことができ、チームスポーツならではの良さや努力の仕方を考えるなど、自分の考えを改めることでそのギャップも解消できました。
―普段の練習では、どんなことを意識されていますか?
強くなるために、考えてプレーすること、目標を持って練習すること、工夫して練習することの3つを特に意識しています。中でも大切にしているのが、「どういうシーンのための練習を行っているのか」を考えることです。特に新しい練習方法を始める前には、部全体で「何のための練習で、どこがポイントになるのか」を共有するように心がけています。
私個人としては、一つひとつのプレーに対して「どうして今うまくいったのか」「失敗したのか」をしっかりと掘り下げて考え、それを再現または修正することにこだわっています。

―辻さんたちの代になってから、何か練習方法を変えられたりしましたか?
1つ前の代でもやっていたことですが、「パスキャ」という、パスとキャッチの練習を徹底的に見直しました。今まではテキパキと練習を進めることが多くて、それ自体は他大学の方からも評価されるほど良い部分ではあったのですが、それよりも時間をきちんととり、より細かいところまでこだわって話し合うことで、一人ひとりの精度を高めるようにしました。また、試合に即したシーンの練習については、よりゲームライクにできるように改善もしました。ラクロスには他大学の練習に参加させてもらう「武者」という文化があるので、それを活用して関東の強豪校にお邪魔して、そこで行った練習メニューを積極的に取り入れたりもしています。

▲技術幹部の同期と(右が辻さん)
―主将として部をまとめるために、大切にしていることを教えてください。
学年関係なく、部員一人ひとりが自発的にチームのために考えて行動できるような環境を作ることです。チームとして新しいプレーに挑戦することを大切にしていますが、失敗を恐れてなかなかできない部員もいるので、最上級生である私が積極的に挑戦する姿勢を見せることで、一歩踏み出してくれたらいいなと思っています。
私たちの部は、関東の強豪校に比べると部員数は少ないですが、その分「組織力」には自信があります!全員が同じ目線で、同じ目標に向かって一つになることで、チーム力を高めてきました。一人ひとりの成長が部の力に大きく関わってくるので、チームとして勝ちを狙いに行くという意味でも、後輩にはどんどん挑戦していってほしいし、悩んでいる様子があれば親身に相談に乗るようにもしています。
―ラクロスにおける辻さんご自身の強みは何だと思いますか?
スピードとGB※、発信力だと思います。攻守ともにこなすMF(ミッドフィルダー)という、特に運動量の多いポジションを担っているのですが、陸上部時代に鍛えた脚力のおかげで素早く動くのは得意。オフェンス時にスピードを生かして相手のディフェンスの1枚目を抜くなど、攻撃の起点になることが多いです。また、GBを相手チームより多く確保することが勝利に繋がるので、そこは徹底的に体を張るように意識しています。発信力については、試合中にチームの士気や集中力を高められるよう、率先して声掛けを行っています。
※GB…グランドボール。落ちたボールを拾って、マイボールにすること

―「第32回東海学生ラクロスリーグ戦」で5連覇を果たした時のことを教えてください。
開幕戦で愛知教育大学に敗れたり、ファイナル4で名古屋大学に1点差で逆転勝利したりと、苦しい試合が多かったですね。ただ、それを転機に「もう一度GBを徹底し直そう」となるなど、結果的にはチームとしていい方向に変わることができました。だからこそ、決勝数日前に主力の4年生が怪我で欠場になるという困難な状況の中でも、チーム一丸となって勝ち切ることができたのかなと思います。連覇を途絶えさせることなく終えることができて、ほっとしました。

▲2024年度ファイナル4 名古屋大学に10-9で勝利の瞬間
―その後の「第15回ラクロス全日本大学選手権大会」で、全国ベスト4になった時はいかがでしたか?
今までは関東の大学に大差で敗れていたので、そこを2点差まで迫ることができた分、すごく悔しかったのを覚えています。試合終了の数分前に5対5に追いついたのですが、最後の最後に点を入れられてしまって。「関東代表として、絶対に負けられない」という相手チームの気迫がすごくて、そこの差だったのかなと思います。ただ、負けてはしまいましたが、日本一に近づいたからこそ、自分たちのチームに何が必要なのかも見えてきました。

▲第15回ラクロス全日本大学選手権大会
―2大会での成績が認められ、学部長表彰を受けたと伺いました。
はい。私たちの活動を大学に認めてもらい、応援していただけたことがすごくうれしかったです。またラクロス部の活動を通じて、南山大学に貢献できていると実感できたのも、励みになりました。
今年こそチームの目標である「学生日本一」を達成するために、チームの層を厚くして、ベンチメンバー20人で勝ち切るラクロスができるよう頑張っていきたいです。そのためにも個々の強みを生かし、部内競争を高めて全員がレベルアップすることはもちろん、一人ひとりがチームのことが大好きで、チームのために考えて行動できるような環境を作れるよう、主将として尽力したいと考えています。

―最後に、将来の目標について教えてください。
現在就職活動中ですが、面接などを通じて、ラクロス部で得た経験や力の大切さを強く実感しています。在学中は「学生日本一」を目指して今後もラクロスに打ち込みつつ、社会に出てからは、部での経験を糧に、周りにプラスの影響を与えられるような素敵な女性になっていきたい―そして女子ラクロス部の理念である「社会で輝く魅力的な女性」として、少しでも社会の発展に寄与することが目標です。
