南山生

事業貢献型の長期インターンシップをサポート。企業と学生をつなぐ事業で学生起業

人文学部 日本文化学科 4年
横井 優樹さん(2021年6月取材)

在学中に、名古屋大学の学生と共に「好生館プロジェクト」を起業した横井さん。
学生のスキルや若者の視点を企業活動に生かす、事業貢献型の長期インターンシップを中心に事業を展開しています。今回は、横井さんが学生起業を志したきっかけや、現在取り組んでいるお仕事、学生生活について伺いました。

 

ーまずは、横井さんが起業を志したきっかけを教えてください。

大学1年の頃に「時計愛好会」を立ち上げ、多くの学生と交流をもつ中で、素敵な魅力やスキルをもっているにもかかわらず、生かす場がない学生が多くいることを知りました。

 

その後、自分自身の長期インターンシップの経験から、企業側の魅力もまた学生に知られていないことに気づき、この現状を何とかして変えたいという想いが強くなり「仮面就活オフ会」を立ち上げました。そこからアドバイスをいただける大先輩とのご縁がきっかけで起業する運びとなりました。

 

 

ーどのようなメンバーで、どんなお仕事をされているのですか?

現在は、南山大学と名古屋大学に通う学生を含む7名で運営しています。仕事内容は様々ですが、例えば、大手自動車部品メーカー・株式会社デンソー 社会貢献推進課様とのお仕事では、コロナ禍における地域団体の支援およびデンソー社員様のボランティア意識啓発を目的に、「デンソーグループWebハートフルまつり」として専用YouTubeチャンネルの構築に取り組みました。

NPO団体のコロナ禍における困りごとをインターン生が直接取材に伺い、動画撮影と編集をした上でYouTubeにアップしたのですが、NPO団体の方やデンソー社員様の満足度も高く、CSR分野における新たな価値創出に挑戦できました。

 
 

ーデジタルネイティブである学生の視点を生かした成功例ですね。横井さんご自身は、こういった産学連携の魅力をどのように考えていますか?

学生の強みは、デジタルネイティブ世代ならではの感性や表現方法はもちろんのこと、商慣習やビジネスに触れていないからこそのビジネスにおける常識にとらわれない自由な発想、しがらみなく積極的にできる提案だと考えています。このような新たな視点や、異質な他者を取り込むことで、企業がイノベーションを起こす起爆剤になると考えています。

ー理想と現実の違いもあるのでは?

企業側から見る学生は、単純な労働力としてのイメージが強く、事業に対して貢献できるイメージを持っていただきづらいケースがありますね。

ー学生は授業やテストなどで対応できない時間もありますから、責任を持てないのでは、ということが原因でしょうか?

そうですね、それらの認識を変えていただくために、私たちは依頼を受けたお仕事に対し、会社として責任を持ってサポートしています。人材の補填や、学生企業間のコミュニケーション仲介、成果物のクオリティの担保など、企業と学生双方と連絡を密に取り、信頼関係重視のサポート体制を構築しています。

ーところで横井さんも学生です。学部ではどのような勉強をしていますか?勉強との両立は大変ではありませんか?

日本文化学科に所属しており、地域文化や社会史に興味を持って学業に取り組んでいます。

大変ではありますが、授業を午前・午後のいずれかに集中させたり、授業中にできるだけ学び取るように集中して聞いたり工夫をしながら、仕事の時間はしっかりとるようにしています。若いうちは多少無理が効きますし、それが人生の肥しやかけがえのない経験にもつながってくると思いますから。

ー勝手ながら、起業家というイメージで「経済学部」だと思っていました…。

確かに経済学にも興味はあったのですが、昔から好きだった「機械式時計」がきっかけで「日本文化学科」に入学しました。

ー時計…ですか?

高校時代は時計関連の仕事に就きたいと考えていて、調べていたら、当時、南山大学の日本文化学科にいらっしゃった教授が、時計の文化について専門にしている方だったのです。高校2年の時にTwitterで先生を発見し、DMを送って会いに行きました。話を伺い、時計産業の歴史や、西洋から日本に渡った時計がどのように日本の独自の文化を形成していったのかなど、時計の文化的側面を学べるのではないかと思うに至り、入学を決めました。こう振り返ると、私は「文化」に興味があるのだと思います。

ー「文化」に興味があることが、今の仕事に関わっているということですか?

はい。例えば長期インターンシップは、中部エリアではまだ文化的に根付いていないと思うのです。自発的に取り組む学生が1人いるだけでも、前向きに受け入れる企業がいるだけでも実現されません。

我々の仕事は、学生が企業と一緒に課題解決をしていく、社会問題にアプローチをしていくことが当たり前の社会を作ること。その先行事例を作ることは「産学連携の文化を作る」と言えますよね。

 

ー確かにそうですね。さらなるご活躍を楽しみにしています!では最後に、これから学生起業を考えている学生へメッセージをお願いします。

もし本気で学生起業したいと思う人がいるならば、今すぐ実行に移してみてください。学生生活は思っているよりもあっという間ですから、悩んでいる時間さえもムダです。どんな素晴らしいアイデアでも、実行しなければ意味がありません。

まずは行動。もしも、学生起業をしたい、でもどうしたらいいかわからない、そんな南山の仲間がいるのなら、ぜひ気軽に横井を訪ねに来てください。

美味しいコーヒーでも飲みながら、ゆっくりお話ししましょう。

 
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