卒業生

[卒業生の声]国際的な環境で培った経験や 幅広い学びは今もビジネスの現場でいきています

法学部 法律学科(1987年度卒業)                                           株式会社三菱UFJ銀行 常務執行役員 名古屋営業本部長
高原 一郎さん(2020年2月取材) 

 

海外が日常の中にあった、南山大学での4年間

 私は高校生の頃から、社会を広く、深く理解したいと考えていました。受験生だった当時は日本の企業がまさにグローバルに突き進んでいく時代でしたが、今ほど国際志向を打ち出している大学は多くありませんでした。この様な時代背景の中で、建学以来、国際的な教育に注力する南山大学に入学することになりました。

 入学して驚いたのは、想像していた以上に海外が身近に感じられる環境だったことです。海外からの留学生と一緒にゼミを受けるなど、普段から国際色豊かな大学生活を送ることができました。また、長期留学や海外旅行をする学生も珍しくなく、自然と私も日本以外の国や文化に目を向けるようになりました。長期休暇のたびに、格安航空券やユースホステルを利用する学生ならではの貧乏旅行に出かけたことは、良い思い出になっています。

 国際色豊かな環境は、私の将来にも大きな影響を与えました。私の学生時代は、「メイド・イン・ジャパン」が世界を席巻しようとしている時期でした。そのため、学内の留学生や、旅先で出会った現地の方との交流を通じて、私は「メイド・イン・ジャパン」の評価とともに、日本という国の評価も高まっていることを肌で感じることが出来ました。その経験から、日本の製造業やインフラ企業などの発展に貢献することで、より良い社会の実現に寄与したいと考えるようになりました。そこで就職活動では、ゼミの先輩の多くがご活躍されていた金融業界を志望し、1988年に東海銀行(現三菱UFJ 銀行)に入社しました。

 

時代はLearnからThinkへ変化する

 入社後は、造船や鉄鋼などの重工業や、海運、鉄道、電力、ガスなどのインフラ産業、自動車などの製造業、食品、小売、流通など、さまざまな産業分野に携わってきました。その中でも海外で事業を展開する企業は多く、若手であるにもかかわらず、グローバルに活躍する企業を担当させていただいた経験は、私の仕事に対する自信になり、視野も大きく広げてくれました。

 名古屋営業本部長として中部地区法人営業の責任者を務める現在は、アジア、南北アメリカ、欧州など、世界各国へ年間数十日は出張しています。

 海外でのビジネスでは、南山大学で培った国際感覚や外国語運用能力だけでなく、海外出身者や留学経験者と密に接してきた経験も大いに生きていると感じます。多様な価値観と当たり前のように触れ合える環境だった大学生活のおかげで、多様性を受け入れる力が自然と身につき、文化の違いから起きる予想外の事態にも柔軟に対応できるようになりました。また、この多様性と柔軟性は、お客様によって異なる事業展開や経営課題の一つひとつに、先入観をもたずに向き合うという姿勢にもつながっています。

 日々、多くの経営者の方々とお会いする中で、今後のビジネスは「社会課題の解決」が重要な鍵になると感じています。一方で、世界が急速に変化している現在では従来の方法では解決できない社会課題が増えています。そのような状況下、今後は「学んだことを自分なりに発展させる能力」が求められることでしょう。LearnからThinkの時代になっているといえます。そして、そのThinkに必要なのは、専門的な知識にとどまらない、幅広い教養です。

 南山大学には国を超えた多様な価値観に触れ合えるチャンスだけでなく、宗教や歴史、世界文明など、教養面でも幅広く学べる機会が豊富に用意されています。この恵まれた環境を最大限に活用して、より良い社会の実現に貢献できる人へと成長してください。

 

 

 

 

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