卒業生

好奇心が夢に、夢が現実に。憧れの中南米で、日本の外交を支える。

外国語学部 スペイン・ラテンアメリカ学科 2019年3月卒業 在コスタリカ日本国大使館
原口 美佐紀 さん

外国語学部スペイン・ラテンアメリカ学科を卒業し、専門職員として外務省に入省。本省での1年間の勤務を経て、スペインで2年間の在外研修中に、外交・国際関係、平和関係の修士号を取得。その後、2023年より在コスタリカ日本国大使館に赴任し、現在は三等書記官として総務・政務・経済・経済協力・儀典などの幅広い業務を担当している。

 

―在コスタリカ日本国大使館で日本の顔として、人々と向き合う 

外務省専門職員として、中南米にあるコスタリカの日本国大使館で勤務しています。私は日々の情報収集から、国際会議への出席、コスタリカ政府との折衝、他国の外交団との情報交換、イベントの企画進行など、幅広い業務を担っています。最近では国際熱帯木材機関の会議に日本政府代表として出席し、日本政府のコスタリカでの森林保護活動に対する支援方針などについて、スピーチを担当しました。現地の人々から日本の支援に対して多くの感謝の言葉をいただき、「この仕事を選んで良かった」と実感しています。また、経済外交の取り組みとしてコスタリカ貿易省および貿易振興機構と共に日系企業の皆様を対象に行った海外直接投資戦略についての説明会(新コスタリカ海外直接投資戦略説明会)にも出席しました。さらに、文化交流活動などの貢献者に対する在外公館長表彰式では、全体の企画運営の中で、和紙や和菓子を用いて日本らしさを演出するなど工夫を凝らしました。このように、在コスタリカ日本国大使館では、様々な事柄に対して自分の裁量で業務を進めることができ、日本とコスタリカの発展や互いの国の相互理解に直接貢献できることが、この仕事の大きな魅力だと思います。

 

―未知の世界への好奇心を胸にスペイン語学習に励む日々

中南米をルーツとする日系の人々が身近にいた影響で、高校生のころから中南米の国々に対する憧れがありました。遠い地球の裏側にある国を自分の目で見たいと思っていた私にとって、スペイン・ラテンアメリカ学科のカリキュラムは最適なものでした。スペイン語の授業では会話・文法・作文・講読の4分野を徹底的に学習しました。特に会話の授業は、すべてスペイン語で行われ、国内にいながら留学しているかのようでした。また、ポルトガル語も学ぶことができ、中南米出身の先生方からは、その国の文化や政治などについて実情を教えていただきました。スペインでの短期留学では、1年間の努力の成果を試すことができ、更にモチベーションが高まりました。

 

 

―南山大学、中南米での出会いが今の私に導いてくれた 

外交官を志したきっかけは、3年次のチリへの留学です。留学先での様々な国の友人との出会いを通じて、自分が「日本人」であることを強く自覚しました。今でも忘れられないのは、コソボ出身の友人に言われた「日本はコソボを国家承認してくれた数少ない国の一つだよ。ありがとう」という言葉です。初めて「国家」の存在やその役割を意識し、そこから国際関係の世界に興味をもち始めました。南山大学では、外務省職員による講演会や在外公館派遣員制度などの説明会も多く実施されています。外務省の有識者懇談会に委員として参加経験がある先生にご指導いただけたことも、就職活動の励みになりました。今の私があるのは、挑戦をサポートしてくれた人々や留学先で出会った人々のおかげです。大学時代に得たすべてを活かして、これからの中南米と日本の関係発展に貢献したいです。

 

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