南山生

「地道に、丁寧に」をモットーに学びを深め、数々の懸賞論文で受賞!たくさんの経験を積み、充実した学生生活を過ごす

法学部 法律学科 4年
毛利 英暉さん(2024年9月取材)

南山大学に入学後、学部での学びに励む傍ら、積極的に懸賞論文に応募して数々の賞を受賞してきた毛利さん。先日は自身が目標の一つにしてきたという「みずほ学術振興財団  第65回懸賞論文 学部学生の部」で佳作を、世界人権問題研究センターの「第1回安藤仁介賞」で奨励賞を見事に受賞しました。
今回は毛利さんに、論文執筆に関してのお話やキャンパスでの様々な出会いについて伺いました。

 

―まずは、先日受賞された2つの懸賞論文に応募した経緯を教えてください。

大学で得た様々な学びの機会をきっかけに、応募することになりました。

そもそも「懸賞論文」という存在を初めて知ったのは大学2年生の時。司法特修ゼミを担当していた王 冷然先生に教えていただき、それ以降大学のメインストリートにある掲示を気にするようになりました。ちょうど同じ頃に、洪先生からのご紹介で参加した名古屋大学法政国際教育協力研究センター(CALE)の活動で仲良くなったモンゴルの学生から、モンゴルの大学では自分の学んだ成果として毎年論文を執筆すると聞き、同年代の友人が努力を重ねる姿に刺激を受けて、自分も挑戦してみようと応募を決意しました。

 

▲みずほ学術振興財団 第65回懸賞論文入選者表彰式にて

―今までにいくつくらいの懸賞論文に応募してきたのですか?

5つですね。1番初めが3年生の時で、サークルの後輩と一緒に「第19回日銀グランプリ~キャンパスからの提言~」に応募し、決勝大会まで進み敢闘賞を受賞しました。夏季休暇中に2ヵ月ほど、オンラインや対面で議論を深め、共同執筆の形をとったのですが、この賞に応募したのをきっかけに、法的能力をテーマとした論文を書くようになりました。

 

▲2023年度日銀グランプリ表彰式にて(左:法学部 法律学科 2年(当時) 宮田雄志さん、右:毛利さん)

―今回の2つの論文でも執筆されたテーマですね。

はい。両論文とも同じ法的能力を主軸に、「みずほ学術財団」の懸賞論文では障害者権利条約上の能力概念と民法上の能力概念を、「安藤仁介賞」では制度的権力構造と法的能力の行使をテーマとして、角度を変えてアプローチしました。

同テーマに興味を持つようになったのは、日銀グランプリの際に、日本版CBDCの導入による金融包摂の実現のための一つの指標として、障害者権利条約の第12条に言及をしたのがきっかけです。一部の障がい者の方や高齢者の方が金融排除されているという現状を踏まえてプレゼンテーションを行ったのですが、質疑応答の際に、自らの理解が不足していることを痛感して…。より深い知識を身につけたいと、様々な文献を手に取るようになりました。

―どんなふうに知識を深めていったのですか?

最初に行ったのが、障害者権利委員会から日本も含めた各国の政府に対して出された総括所見に目を通すという作業です。G7、G20といった政治的な枠組みのものから始めて、徐々にそれぞれの国のものへと読み進めていきました。

論文の読み方や芋づる式に文献に当たって理解を深めていく学習方法は、洪先生のゼミで学んだのですが、論文を執筆する上でも普段の学習においても、自身の基礎となっていると感じています。コツコツと続けている研究ノートもその一つで、目を通した文献をきちんとノートに記録しておくことの重要性や、丁寧に作業をしていくことの大切さなども教わりました。大学の図書館が充実しているのもとてもありがたいですね。また、国際法に関する知識や国連の文書の検索の仕方を洪先生に教えていただいたことも、同テーマの理解には欠かせませんでした。

―ゼミでの学びが、毛利さんの学習の基礎となっているのですね。学部長表彰も2年連続で受賞されたと伺いました。

はい。学びへの姿勢もそうですが、実際に国際社会でご活躍されている洪先生から直接お話を伺えることも貴重だと感じていて、自身のモチベーションにも繋がっています。

また、一つひとつの授業にも集中して取り組むことを心掛けていたので、学部長表彰を頂いた際には驚くと同時に、とてもうれしく感じました。「次の一年間も頑張ろう」と気持ちを新たにする、いい機会になりました。

 

▲洪ゼミのメンバーと(後列右から3番目:洪教授、前列1番左:毛利さん)

―「Language Buddy」の活動についても教えていただけますか?

「Language Buddy」は外国人留学生別科の学生と学部生がペアになってそれぞれの言語で国際交流を楽しむ取り組みで、最初に「Language Buddy」として活動したのは1年生の時で、アメリカからの留学生とペアでした。英語や海外の文化を学びたいと思い、また、当時はコロナ禍で授業がオンラインだったため時間に余裕もあり、それほど気負わずに応募できたのを覚えています。言葉の壁などは最初から意識せず、話し始めて気が付いたら2~3時間経っていた…なんてこともざらにありました。計5回にわたって参加し、アメリカ、ガーナ、イタリア出身の留学生と交流してきて、すでに卒業した方もいますが、今でも頻繁に連絡を取り合ったり遊びに行ったりする友人になっています。

先ほど話に出た総括所見を読み進めている際も、他の国の法律などで疑問に思った部分を質問し、教えてもらったりしました。彼らとの議論を通して幅広い視点を得ることができたことも、論文執筆の大きな助けになったと感じています。

 

 

 

―知多で個人塾「ALOHA」を開塾されているそうですが、こちらについても教えてください。

知多市に住む祖父母の家の一室を借りて実施しているもので、「勉強が苦手だから教えてほしい」と言われ、いとこたちに教え始めたのがきっかけです。2人からスタートして口コミで広がり、現在は小学生5人、中学生2人が通ってくれています。「想像力が豊かな子どもたちだからこそ、いろいろなことを吸収して学んでいってほしい」という思いから、季節ごとにイベントを実施したり、留学生の友人に先生として来てもらったりと、様々な工夫をしています。

子どもたちと触れ合う中で、それぞれ興味のあることも違えば、学ぶスピードも違うなど、個々でニーズが違うことを学びました。それらに対応する難しさはもちろんありますが、子どもたち自身が学びたいことを学ぶ機会を提供できることに、私自身やりがいも感じています。

 

▲個人塾「ALOHA」で塾生と

―最後に、今後の目標について教えてください。

大学での学びや経験を経て、私は法律を通して社会を見て、様々な社会問題を解決する方策について思いを巡らせることが好きだと気が付くことができました。将来は法律に関わる仕事に就き、膠着する社会問題や紛争の解決に向けて、多角的な視点から分析する力を身につけたいと思っています。法曹三者(裁判官・検察官・弁護士)を目指しているのですが、論文を書くことも好きなので、研究者への迷いも少しあって…法科大学院で学びを深めながら、じっくりと道を見極めていきたいです。

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