南山生

体育会執行委員長として迎えた、3年ぶりの上南戦。白熱した試合を前に、スポーツの力を改めて実感!

法学部 法律学科 4年
佐野 主真さん(2022年7月取材)

1960年の第1回大会より、半世紀以上続く伝統の一戦「上南戦」。新型コロナウイルス感染症の影響で中止が続いていましたが、今年3年ぶりに開催され、大きな盛り上がりを見せました。その開催を陰で支えたのが、体育会執行委員会と上南戦実行委員会。今回は、体育会執行委員会で委員長として活動する佐野さんに、上南戦に対する想いや大学での競技生活などについて伺いました。

 

―最初に、体育会執行委員会の委員長として活動することになった経緯を教えてください。

昨年度、上南戦実行委員会に所属したのがきっかけです。調印式や開会式、閉会式、結団式、解団式といったセレモニーを運営するチームで、チーフとして活動しました。新型コロナウイルス感染症の影響で残念ながら開催はされなかったものの、多くのクラブポイント※を獲得することで、所属する洋弓部に貢献することができました。

次年度の執行部メンバーは、上南戦実行委員会の3年生の中から選ぶのですが、役員決めの話し合いが難航してしまって…。正直迷いもしたのですが、「委員長を務めることで、また今年も部の発展に貢献できたら」と思い、引き受けることにしました。

※クラブポイント…体育会への貢献度(体育会の役職を務める、大会での戦績や上南戦での勝利など)に応じて得られるポイント。このポイントにより順位付けを行い、所定の条件を満たした場合、大学から追加の支援が受けられる。

 

―セレモニーチーフとしての活動を経て、より責任のある立場に挑戦されたんですね。

そうですね。ただ最初は、「洋弓部のために」という部分がやはり大きかったと思います。

それが変わったのは、委員長としてたくさんの人や仕事に関わる中で、他の課外活動団体に所属する方々の熱い想いを感じたから。今は体育会団体がそれぞれの目標を達成できるよう、少しでも力になれればという想いで活動しています。

 

上南戦結団式では体育会執行委員長として挨拶

―上南戦の準備期間はどのような活動をされていたんですか?

上南戦実行委員会が中心となって準備を進めてくれたので、そのサポートですね。執行部には前年度の上南戦実行委員会チーフが複数名所属していたので、それぞれ、現チーフをサポートするよう心掛けていました。あとは1年生の時に行われた上南戦での経験を伝えたり、疑問や不安に対して丁寧に答えたり…セレモニーチーフを務めた時の失敗談も踏まえつつ、アドバイスすることもありました。

 

3年ぶりに開催された今年の上南戦

―「いよいよ上南戦が始まるぞ」という時はどんな気持ちでしたか?

昨年は開催まで1ヵ月を切ったタイミングで中止となってしまい、とても悔しい想いをしたので、無事開催されるまでは内心ドキドキしていました。上南戦開催を肌で感じたのは、結団式や調印式を終えて、上智大学のみなさんとお会いした時ですね。開催できたことに一安心しながらも、やはり勝負事なので、「やるからには総合優勝を」という想いでした。

 

調印式で自分の印鑑を押した時に現実感が湧いてきたという佐野さん(一番右)

―今年の上南戦はかなりの接戦だったと聞きました。

最後の競技が終わるまでまったく勝敗が予想できないという、歴代稀に見る接戦でした。惜しくも総合優勝は逃してしまいましたが、全員が諦めずに最後まで頑張ったいい大会だったと思います。

特に印象に残っているのが、最終日に行われた卓球部男子の試合。勝敗をかけた最終セットで、上智大学側にマッチポイントをとられた状況から逆にポイントを連取して追い上げ、あと一歩で同点!というところまで相手に食らいついていて。逆転できるんじゃないかと、ハラハラドキドキする展開でした。勝利に対する執念と周囲の応援の力を感じた、忘れられない一戦になりました。

 

歴代稀に見る接戦になった今年の上南戦

―その展開は盛り上がりそうですね!洋弓部の試合はいかがでしたか?

洋弓部では「4年生は上南戦に出場しない」決まりなので、私自身は試合には出ていないのですが、後輩たちが頑張ってくれました。試合前の数カ月はできるだけ射場に通い、射ち方のアドバイスや助言などを行ってきたので、立派な姿が見られたのはうれしかったですね。結果は男女ともに敗れてしまいましたが、男子は4点差の接戦で、女子も自己ベストを出した選手が出るなど、今後の糧となる大会だったと思います。

 

洋弓部男子は惜しくも4点差で負けてしまった

―後輩の指導という形で試合に参加されたのですね。

はい。洋弓部には常任のコーチがいないので普段の練習から、「少しでも力になれれば」と思って射ち方の指導を行ってきました。より的確にアドバイスできるように、昨年からはアーチェリーの専門誌での勉強も始めています。私自身、1年生の時に肩を痛めて、スランプに陥ってしまったことがあって…悩んでいる後輩には、そういった自分の経験を伝えたりもしますね。ただ、「もっといい助言ができたのでは」と悩むことも多くて。なので、上南戦の応援に行った時に後輩に言われた「先輩が来てくれると安心します」という言葉には救われました。

 

いつかは洋弓部にコーチとして戻ってきたいと話してくれた佐野さん

―ステキな関係を築いてこられたんですね!佐野さんが思う“スポーツの魅力”とは何でしょうか?

スポーツの魅力は、試合で活躍することだと思われがちですが、私はそれだけではないと感じています。どんな競技も試合に至るまでの間には努力や挫折があり、その苦しい時期を乗り越えることで、人としても大きく成長できると考えているからです。

私自身、何度もスランプに陥り、悩み苦しんだ経験があります。その度、乗り越えた先の成長した自分の姿を信じ、時には人の助けも借りながらクリアしてきました。こういった経験があったからこそ、今の自分があると思っています。この先、社会に出てからもいろいろな壁にぶつかると思いますが、スポーツでの経験を自信につなげて、一つひとつ乗り越えていきたいです。

―最後に、将来のビジョンを教えてください。

将来は誰かの悩みに寄り添い、一緒に改善策を考えられる人間になりたいですね。ただ、「人のために何かをするのは簡単なことではない」と大学生活を通して学んだので、まずは自分のやるべきことに全力を注いで成長していけたらと思っています。

また、就職先は関東なのですが、いつの日か愛知に戻ってきて、南山大学洋弓部でコーチとして指導できるような機会を得られたら最高ですね!

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